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『絵描きのワンワン散歩道』by セキ・ウサコ

犬猫好きなイラストレーター/セキ・ウサコが愛犬のこと、映画・本・写真・絵のおはなしなど綴ってまいります。

素敵な発見だってあったよね。

01雨ブログ用統合500


『振り返りブログ』の第2弾は、
今年の梅雨のころに
紫陽花がプレゼントしてくれたお話のこと。

もともと雨はキライじゃないんです。
特に ふと空気がしんなりしているなあと
窓辺に立ったら 
しとしと雨が落ちていたなんていうの。
トポンと雨音のプールに沈んで行くような感じで
落ちつきます。

上のイラストは学研さんの保育雑誌6月号に
描かせていただいたものです。



02あじさい


そして梅雨といえば定番の紫陽花。
こんなに雨に濡れた姿が似合う花って
他にない気がします。

人間の世の中がコロナ禍でどうであれ、
今年もちゃんと季節を知らせてくれた庭の
紫陽花たち。
今年はそこに不思議なお客様がいらしゃいました。


03あじさい


だれでしょね?
紫陽花の花びらを
三日月にしちゃったのは。
即席でお話を作ってみました。

『三日月の恋文』
はじまり はじまり~

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボクはウサコさんちのお庭に棲んでいる。
北向きのお庭は梅雨の季節、サイコーに居心地がいいんだ。
美味しい紫陽花の株の根元にボクのお家がある。

夜、21時をまわるとボクたちのお食事タイムだ。
だけど、そのころウサコさんは、空色の
プラスチックのトングを片手に現れる。
ボクらを見つけると、
「あーら、いやだ、いやだ」って、
トングで挟んでポーン❗️と裏の空き地にすっ飛ばす。

そこはこの季節、ドクダミしか生えていない。
ドクダミは葉っぱも白十字の花も苦い。
だから、ボクらはまた延々と時間をかけて
ウサコさんちの紫陽花の根元まで帰ってくる。

そして、今日もせっせと紫陽花の枝をよじ登り、
空色の花までたどり着いた。
なんて柔らかくて噛み心地のいい花びらなんだろう。
はむはむはむ、、
といただいていたら、
おっと、黒い影。
ウサコさんがすぐそこにいるじゃないですか。
ボクはまた、ポーンと
空中飛行させられるか!?
と無い首をすくめて、縮こまった。
三日月の晩だ。
金星がピカッと独り勝ちで光っている。
ウサコさんは空を見上げてる。動かない。
どした?
そう言えば、最近彼女はよく夜空を見上げてる。
手にしているのはトングじゃなくてスマホだ。
おしゃべりしてないから、メールでもしてたんだろか。
くるりとウサコさんが振り返ってボクをみつけた。
「あ~、、、いた~」
そして、ボクに近づいてきた。
はぁ~~、とため息をついて言った。
「あなたねぇ、あんまりにも似合わなさすぎるょ」
そうだろう。
三日月の晩、可憐な淡い水色の紫陽花のお花の中にいるボク。
「あなたねぇ、、、、せめて、
 殻をしょってるカタツムリでいてくれていたら、
 ハムハムお食事してても梅雨の風物詩として私も認めるわよ。
 でも、殻は無いわ、触覚もないわ、では
 どっちか頭かお尻かわからないじゃない?
 自分で前と後ろ、間違ったりしないの?」

「ひ、酷いことおっしやいますね。パワハラですよ」
「え?パワハラ?わたし、あなたを雇ったかしら?」
「雇ってはないですが、ウサコさんはボクにとって大家さんですから」
「あら、いつから店子になったのかしら」
「あなたがここに越してきた日からです。その日の晩もこんな三日月の晩でした。
 もう、何年もこの季節にはあなたに会っていますよ」

ウサコさんの顔が近づいてくる。
「ふうん。あの日も三日月だったのね。
 ナメクジくん、
 私ね、三日月が好きなの。これから膨らんでいく三日月が。
 いいことがありそうな気がするでしょう?」

おお、ウサコさんがボクをみて笑ったよ。
初めてだ。
「確かに、三日月は細ければ細いほど美しいですねぇ」
「そう。あの凹みに腰かけて、空から街を見下ろすのよ」
そう言って、ウサコさんは夜空を仰いだ。
そこにはツンととんがった三日月が、すまして浮かんでる。
三日月に腰かけて夜に浮かぶ。
ボクだってそうしてみたいよ。
「ナメクジくん、おやすみなさい。いい晩だったわ」

おや、ウサコさんはボクのことを
裏の空き地にポーンしなかった。
初めてだ。
ボク、ここに居てもいいのかなぁ。

その晩、ボクは仕事に励んだ。
三日月までは行けないから、紫陽花の花びらをせっせと食べた。
三日月の形にしていった。
朝になったら新聞をとりにウサコさんがでてくる。
そこには、すべての花びらが三日月の形になった、
新種の紫陽花がすまして咲いているんだ。

ウサコさん、そんなに見上げなくても、すぐ近くにだって三日月がいるよ。
ボクがこれから、た~くさん創るからね。約束するよ。

----FIN------

本当はね、ナメクジでもカタツムリでもなく、
「バラハキリバチ」の仕業なんですって。
高校時代のお友だちが教えてくれました。


05あじさい500


こちらのイラストは七田教育/脳力開発冊子2~3歳用の
表紙に描かせていただきました。
こんな紫陽花の帽子、被ってみたいな〜。


04siru あじさい300
写真は紫陽花の帽子が頭に落ちてくるのを待ってる?ウチノコです(´∀`*;)。

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#イラスト 
#紫陽花 
#梅雨 #バラハキリバチ




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テーマ:イラスト - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2020/11/18(水) 04:56:28|
  2. ワンコと絵
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