『今年を振り返るブログ・第3弾』は、
コロナ禍でもいいことだってあったよね、です。
(上のイラストは七田出版『えほんだいすき』の
扉ページに描いたものです)
表参道の絵本専門店『クレヨンハウス』は
私が上京してきていちばんに訪ねた本屋さんです。
当時、人気ラジオDJだった「レモンちゃん」こと、
落合恵子さんが開かれた小っちゃなお店でした。
今、コロナ禍のせいでクレヨンハウスさんの絵本の売り上げは
昨年の3倍!になったそうです。
みなさんご自宅でお子さんに
絵本を読んであげる時間を持てたのですね。
ね、いいことだって、ありましたね。
さて。絵本というとちょっと違いますが、
私が大切に想っている本にサンテグ・ジュペリの
『星の王子さま』があります。
クレヨンハウスで最初に求めたのもこの本でした。
それ以降、何度読み返したかしれません。
読むたびに 新しい気づきがあるのです。
この中にでてくる大蛇、ウワバミ。
象を丸呑みしたウワバミの絵を描いたのに、
それは大人には、帽子の絵にしかみえないのですね。
自分には絵の才能がないのだと思った
6歳の少年サンテグジュペリは、
絵描きになるのを諦めて
飛行機のパイロットになるのです。
この有名な絵を見るたびに
私は思うんです。
ウワバミは、ゾウに熱烈な恋をしていたのではないかと。
あんまり好きでしょうがなくて誰にも渡したくないので
丸呑みしてしまったんじゃないかしら、と。
でもゾウは大きいからウワバミも呑み込んだものの、
動くことができずそのまま眠ってしまうのです。
そして、ゾウの方も、実はウワバミのお腹の中が暖かくて、
とろんと居心地がいいのに気づいて安らいでいたかも。
長い時間が経って、
いつの日かゾウは消化されて、ウワバミの一部に
なってしまいます。
そして目覚めたウワバミは、自分に力が満ちているのに
驚くはず。
お腹はぺたんこになって動けるのに、心がからっぽ。
ヒトリぽっちが寂しくて、
象がいなくなったのが
悲しくて、
自分が食べてしまったのが
辛くて、
オンオン泣きながら夜空を昇っていって、
そして「蛇使い座」に頼んで小さな星にしてもらいました、とさ。
なんだか『よだかの星』みたい、、、。
きれいな半月を眺めながら、そんなこと思いました。
イラストは、もと養護学校の先生をしてらした
作家の山元加津子さんが募集してらっしゃる
「モナ森祈りのキルト」への作品です。
石川県にある「モナの森」の壁面を飾るための
祈りのキルトの一部となります。
そのかっこちゃん こと、
山元加津子さんの新刊本が届きました。
かっこちゃんは特別支援学校の先生でした。
昔、彼女のことを紹介するエッセイに
私がイラストを描かせていただいてからの
長~いお付き合いになります。
かっこちゃんは、学校で出会った子どもたちの
能力・感性を見つけて引き出す天才なのです。
子どもたちのことを書かれたお話は絵本になり
『きいちゃん』は教科書にも掲載されました。
病弱擁護学校の生徒さん雪絵ちゃんとの想いは
『1/4の奇跡』という映画になっています。
今回の作品『リト』は、リトという小さな犬を水先案内人に
人はなぜ生きるの?
なぜ悲しいことがあるの?
そして なぜ人は出会うの?
について、語りかけてくれる本です。
先の見えないコロナ禍。
感染された方やそのご家族、医療に従事されてる方、
お仕事が成り立たなくなった方、そして
希望に溢れてたはずの学生生活が、新社会人生活が、
全く違う形になってしまった方がた、
なんで?なんでこんなことに?
私、そんなに悪いことした?って思いますよね。
それにこたえてくれる本だと思います。
枕元に置いて何度も読み返したくなるお話です。
お子さんがいらっしゃる方はどうぞ
親子で読んでくださいね。
胸がいっぱいになって、そして心は
「あんしん」で満たされることと思います。
『リト』のお申し込みは↓こちらへどうぞ 『リト』詳細、申し込み方法
今日はこの本を読んでね、のウチノコたち。
ご本のタイトルは 「僕のうしろに道はできる」
これも山元加津子さん著で、私も挿絵を描かせていただいてます。
↓アマゾンにリンクします。「僕のうしろに道はできる」
私は書籍でも絵本でも、自分で読むのも、読んでもらうのも、
そして読んでさしあげるのも大好きです。
誰かに読んであげられる幸せ。
読んでもらえる幸せ。
そんな時間はたぶん人生の宝物。
日曜の午後、縁側で
祖父のアグラの中の頭を入れて
耳かきをしてもらってるよなまどろみ感。
コロナ禍でそんな時間が少しでも多くもてたなら、
ん、きっとよかった!ですよね。
イラストは『えほんだいすき』の裏表紙に描いた絵です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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- 2020/11/19(木) 05:34:15|
- ワンコと映画や本
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『振り返りブログ』の第2弾は、
今年の梅雨のころに
紫陽花がプレゼントしてくれたお話のこと。
もともと雨はキライじゃないんです。
特に ふと空気がしんなりしているなあと
窓辺に立ったら
しとしと雨が落ちていたなんていうの。
トポンと雨音のプールに沈んで行くような感じで
落ちつきます。
上のイラストは学研さんの保育雑誌6月号に
描かせていただいたものです。
そして梅雨といえば定番の紫陽花。
こんなに雨に濡れた姿が似合う花って
他にない気がします。
人間の世の中がコロナ禍でどうであれ、
今年もちゃんと季節を知らせてくれた庭の
紫陽花たち。
今年はそこに不思議なお客様がいらしゃいました。
だれでしょね?
紫陽花の花びらを
三日月にしちゃったのは。
即席でお話を作ってみました。
『三日月の恋文』
はじまり はじまり~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボクはウサコさんちのお庭に棲んでいる。
北向きのお庭は梅雨の季節、サイコーに居心地がいいんだ。
美味しい紫陽花の株の根元にボクのお家がある。
夜、21時をまわるとボクたちのお食事タイムだ。
だけど、そのころウサコさんは、空色の
プラスチックのトングを片手に現れる。
ボクらを見つけると、
「あーら、いやだ、いやだ」って、
トングで挟んでポーン❗️と裏の空き地にすっ飛ばす。
そこはこの季節、ドクダミしか生えていない。
ドクダミは葉っぱも白十字の花も苦い。
だから、ボクらはまた延々と時間をかけて
ウサコさんちの紫陽花の根元まで帰ってくる。
そして、今日もせっせと紫陽花の枝をよじ登り、
空色の花までたどり着いた。
なんて柔らかくて噛み心地のいい花びらなんだろう。
はむはむはむ、、
といただいていたら、
おっと、黒い影。
ウサコさんがすぐそこにいるじゃないですか。
ボクはまた、ポーンと
空中飛行させられるか!?
と無い首をすくめて、縮こまった。
三日月の晩だ。
金星がピカッと独り勝ちで光っている。
ウサコさんは空を見上げてる。動かない。
どした?
そう言えば、最近彼女はよく夜空を見上げてる。
手にしているのはトングじゃなくてスマホだ。
おしゃべりしてないから、メールでもしてたんだろか。
くるりとウサコさんが振り返ってボクをみつけた。
「あ~、、、いた~」
そして、ボクに近づいてきた。
はぁ~~、とため息をついて言った。
「あなたねぇ、あんまりにも似合わなさすぎるょ」
そうだろう。
三日月の晩、可憐な淡い水色の紫陽花のお花の中にいるボク。
「あなたねぇ、、、、せめて、
殻をしょってるカタツムリでいてくれていたら、
ハムハムお食事してても梅雨の風物詩として私も認めるわよ。
でも、殻は無いわ、触覚もないわ、では
どっちか頭かお尻かわからないじゃない?
自分で前と後ろ、間違ったりしないの?」
「ひ、酷いことおっしやいますね。パワハラですよ」
「え?パワハラ?わたし、あなたを雇ったかしら?」
「雇ってはないですが、ウサコさんはボクにとって大家さんですから」
「あら、いつから店子になったのかしら」
「あなたがここに越してきた日からです。その日の晩もこんな三日月の晩でした。
もう、何年もこの季節にはあなたに会っていますよ」
ウサコさんの顔が近づいてくる。
「ふうん。あの日も三日月だったのね。
ナメクジくん、
私ね、三日月が好きなの。これから膨らんでいく三日月が。
いいことがありそうな気がするでしょう?」
おお、ウサコさんがボクをみて笑ったよ。
初めてだ。
「確かに、三日月は細ければ細いほど美しいですねぇ」
「そう。あの凹みに腰かけて、空から街を見下ろすのよ」
そう言って、ウサコさんは夜空を仰いだ。
そこにはツンととんがった三日月が、すまして浮かんでる。
三日月に腰かけて夜に浮かぶ。
ボクだってそうしてみたいよ。
「ナメクジくん、おやすみなさい。いい晩だったわ」
おや、ウサコさんはボクのことを
裏の空き地にポーンしなかった。
初めてだ。
ボク、ここに居てもいいのかなぁ。
その晩、ボクは仕事に励んだ。
三日月までは行けないから、紫陽花の花びらをせっせと食べた。
三日月の形にしていった。
朝になったら新聞をとりにウサコさんがでてくる。
そこには、すべての花びらが三日月の形になった、
新種の紫陽花がすまして咲いているんだ。
ウサコさん、そんなに見上げなくても、すぐ近くにだって三日月がいるよ。
ボクがこれから、た~くさん創るからね。約束するよ。
----FIN------
本当はね、ナメクジでもカタツムリでもなく、
「バラハキリバチ」の仕業なんですって。
高校時代のお友だちが教えてくれました。
こちらのイラストは七田教育/脳力開発冊子2~3歳用の
表紙に描かせていただきました。
こんな紫陽花の帽子、被ってみたいな〜。
写真は紫陽花の帽子が頭に落ちてくるのを待ってる?ウチノコです(´∀`*;)。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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- 2020/11/18(水) 04:56:28|
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コロナ禍を言い訳にしばらく放置していたブログですが
チャララ~ン♪、すでに11月。
この一年を振り返るかたちで再開いたします。
上のイラストは、「頭痛薬」がテーマの医療雑誌に
描かせていただいた挿絵です。
服用すれば痛みはあぶくのように消えてしまう、
な~んて便利な頭痛薬♡。
新型コロナウイルスのワクチンができるのも、
あと少し。
アマビエ様のイラストを描いてTシャツを作っていた5月には
第二波、第三波なんて想像ができていませんでした、、、

熊本発祥の疫病退治妖怪「アマビエさま」の
御守りTシャツは4種類作りました。
ちょっと妖怪っぽいアマビエさまと、ムーンフェイスのアマビエさま。
モノトーンのものも作りましたが、
意外に黒地のものが人気だったんです。
利益分は、医療従事者の方々を支えている
『ピースウインズ・ジャパン』新型コロナウイルス
緊急支援事業部へ寄付させていただきました。
(買っていただいた枚数が30枚弱でしたので
そんなに大きな数字ではありませんが、
気持ちですよね、キモチ!。
Tシャツ1枚あたり510円の寄付となりました)
ご注文をくださった方々が
「医療従事者さんの大変さを知っているので
何かしたいと思っていたのよ」とか、
「気持ちが塞ぎがちだったけど、アマビエさまTシャツ着て
元気出していこうって気になれます」
って、コメントを寄せてくださって
とても嬉しかったです。
応援、ご協力、ありがとうございました。
ワクチンができ、みんなが接種できるようになるまでは、
新型コロナウイルスとは、共存していかねばなりません。
医療従事者の方々だけでなく、
ふつうの誰もが、精神が鬱屈しますし
経済的にも厳しかったりしてます。
でも、いつか、あのときは大変だったよねって
でも乗り越えられたよねって
言える時がきっとくるでしょう。
それを信じて、ニッコリ笑顔(*^_^*)でいようと思います。
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- 2020/11/17(火) 04:21:42|
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