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『絵描きのワンワン散歩道』by セキ・ウサコ

犬猫好きなイラストレーター/セキ・ウサコが愛犬のこと、映画・本・写真・絵のおはなしなど綴ってまいります。

幸せの黄色い嘘?


1英語統合

春になると、どうして黄色が恋しくなるのでしょうか。

お仕事のイラストにも
ついつい溢れる タンポポ色に、
レモンイエロー、
ふっくら卵焼きの色。

Benesseさんで描かせていただいた、
「Can you do it?」 
こども英語教室のプレイシートも
バックは、明るいミモザイエロー。

幼い頃は 黄色い色が好きではありませんでした。
 
赤はトマレ。
青はススメ。
黄はチュウイ。

黄色は「キケン」な感じ。「アブナイ」感じ。

そのころは、お洋服も 制服は紺色だし、
母親が選んでくれる私服も、
白・黒・グレー・紺・えんじ色に水色くらい。

黄色はとても遠かったです。

黄色に目覚めたのは、16歳のときでした。

高1から 美術大学をめざしていた私は、
東京に住む叔母の勧めで
美術学院の夏期講座を受講することになりました。

とは言っても、デッサンも初めて。
木炭を握るのも、油絵の具に触るのも初めて。

右も左もわからない中、
先輩の受講生の お兄さまお姉さまがたの
眩しかったことったら!

東京芸大をめざして5浪とか、6浪とかザラで、
ああ、世の中にはすごい信念の方がいらっしゃる!と。

油絵の静物画の授業で、
キャンバスの絵具が全然乾いてくれないのに、
さらに 塗り重ねて、もう、下の絵具と上の絵具が
グチャグチャに混ざって、
自分でも何を描いているのかわかんなーーーーい!

と、格闘する私を尻目に

隣のお姉さまは、
それはファンタジックな画面を創り上げていらっしゃいました。

置かれた静物は、
麻袋の敷物の上に、りんごやバナナの入ったホウロウの洗面器、
後ろに牛の頭蓋骨、レンガに壷、レースのカーテン

これでもか!な 脈絡のない異素材のてんこもり。

なのに、隣のお姉さまの画面は、
なんてカロヤカなのでしょう。

すべての影に 明るい黄色が潜めてあったのです。
りんごのヘタに、レンガの縁に
麻袋の折れ目に。
ほろほろ ほろ、と落ちる黄色。

それはまるで、静物たちが、
春の やはらか〜な光のキラキラに包まれたようで、
牛の骸骨まで、嬉しくて踊りだしそうに見えるのでした。

ちがうじゃん。

ホンモノと 全然、ちがって、
なんて、なんて素敵なの!!まさにYellow Magic♡

このときから、私の中で
黄色は、現実に魔法をかけてくれる、
特別な色となりました。

全面に、ではなく、
そーーーっと潜んでいる黄色。

「・・ここにいるよ・・」
囁く黄色。

みつけたら、もう、ぜったい幸せになれそうじゃないですか。

だから、こっそり 隠します。
幸せマジックの き・い・ろ。


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2きれいな黄色


ミモザの枝をキッチンに飾りました。
花言葉は『真実の愛』ですって。


「なに? なに? なに?」

さっそく、調査に来たシルヴィーさん。


3ペロン

「もふもふの黄色、、、、、甘いのかしら?」

あらら、舌が伸びてます。

あ! あ!
今、なめましたね?



4え?なにも

「え? 見てた? なんか見えた?」


5してないよ


「見えたらそれは マボロシよ」

だって、シルヴィーさん、
口元に 何かくっついていますよ〜。

ちっちゃい、黄色の『真実』が〜。






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テーマ:わんことの生活 - ジャンル:ペット

  1. 2017/03/27(月) 08:00:00|
  2. ワンコと絵
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